釜石の郷土芸能「虎舞」

郷土芸能(虎舞)の紹介

釜石の郷土芸能は、神楽・太神楽・鹿踊り・虎舞など、多種にわたった芸能が伝承されております。

中でも釜石の代表的な郷土芸能は虎舞で、今から約830年前、閉伊地方を領有していた鎮西八郎為朝の三男閉伊頼基が、将卒達の士気を鼓舞するために虎のぬいぐるみを付けて踊らせたのが始まりであるといわれている。

沿岸地方の船乗りは、「板子一枚、下は地獄」と言われ、漁師の家族にとって無事寄帰港することが何よりの祈願であった。「虎は一日にして千里いって、千里帰る」ということわざから、無事に帰る事を念じ、虎の習性に託して踊った虎舞が沿岸漁民の間に広がっていった。

市内に14ある虎舞団体の母体的存在である片岸虎舞、両石虎舞、錦町虎舞、尾崎虎舞の4団体が、釜石市指定無形文化財に指定されている。

釜石虎舞の演舞項目について

演技・踊りの仕組みは、まず虎を型どったものの中に前後2人が入り、巧みにこれを使い分けます。

この外に子供等数名が、ササラ、槍、扇子を持って虎と共に舞います。

三陸沿岸に伝えられる虎舞の演目はおよそ次の3種があげられます。

1.遊び虎(別称:矢車)

春の日差しを浴び無心に遊び戯れる態相をあらわす。この時の太鼓の撥さばきが5月の鯉のぼりの先端に取り付けられた矢車が風にくるくる回る姿に似ている事から別称「矢車」ともいう。

踊り子数人が扇子を持って共に踊り、如何にも優美なものです。

2.跳ね虎(別称:速虎)

目的の場所に追い込まれた虎が手負いとなって荒れ狂い、流石猟師や勢子達も及ばなくなるが、気丈な和藤内が一人で之を仕止めるという舞を表現したものです。

虎舞の中で最も勇壮闊達な踊りである。

3.笹喰み(ささばみ)

繁殖期にある虎が、盛んに獲物を求め焦燥し、笹に噛みついて歯を磨ぐなど気性が荒くなり、漁師が虎狩りするのもこの頃だという伝説によるもので笹竹をくわえて踊る姿は虎の習性を良くあらわしている。一説には、虎は竹の子を好物とし、それを探す態であるともいわれている。舞も囃子も一段と活気をおび舞のクライマックスです。そして踊子は手にササラを持って、虎の猛襲を避けながらだんだん目的の場所へ追いやる風に踊ります。

ギャラリー

釜石虎舞演舞年間スケジュール

◆釜石郷土芸能祭・・・・・・・・・・・・・・1年おきの冬期

◆釜石さくら祭(3年に1度)・・・・・・・・・4月下旬

◆かまいし夏の港まつり・・・・・・・・・・・7月中旬

◆釜石まつり ~曳船まつり~・・・・・・・10月中旬

◆釜石まつり ~神輿渡御~・・・・・・・・10月中旬

◆漁火虎舞・・・・・・・・・・・・・・・・10月下旬

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